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【難聴児】補聴器・人口内耳をつけ続けてくれない!原因と対応について言語聴覚士が解説します

この記事で解決できる悩み

  • 補聴器・人工内耳をなぜつけない?
  • つけてもよい反応がないのはなぜ?
  • つけてくれるようになるためにできることは?
  • 常に嫌がる場合はどうしたらいい?

このような悩みを解決する記事を用意しました。

本記事を読むことでつけてくれない原因とその対応についてわかります。

補聴器・人工内耳をつけないのはどうして?

理由は様々だと考えられますが、お子さんが嫌がる理由としては

①そもそも耳の中に異物がある状態が嫌

これが一番に考えられる原因ではないでしょうか。

なぜかといえば、大人が急に耳が聴こえなくなった場合、今まで聴こえていた音や声が

聴こえなくなると生活やコミュニケーションに【困る】ので必ずつけるはずです。

一方で、こどもは生まれた時点で耳が聴こえにくい状態が【普通】なわけです。

すると困っていないわけですから、途端に異物になってしまうわけです。

②新しい音に慣れていない、音が不快など

補聴器・人工内耳をつけるということは、今までは聞こえなった、あるいは聞こえにくかった音が聞こえるわけです。

するといきなり知らない音が聞こえるので、それに驚いたり、不快感を感じることがあります。

多くの親御さんがここで、嫌がっている感じと常時装用にあまりこだわらなくなるケースが多いです。

しかし、新しい音は恐怖や不安もある一方で、聴こえた喜びも感じられるのです。

新しい音は親子で共有しながら、新しい音に興味をもってくれるようにしていきましょう。

つけてもよい反応がないのはなぜ?

補聴器・人工内耳のつけはじめは反応が悪いことが多いです。

そしてその原因のひとつは

①補聴器や人工内耳の調整に問題がある

場合です。

呼びかけても反応がない、大きな音に気づいていない場合は十分に補聴できていない可能性があります。

その場合、調整やマッピングが必要になりますので、近くの耳鼻科医や言語聴覚士にご相談ください。

ふたつめは

②聴こていないのではなく、【反応の仕方がわからない】

場合です。

例えば家の近くでピーポーピーポー と音がなったら、我々は何事かと外をみますよね。

それは小さい頃からの経験でサイレン=事故や災害 など音と意味が繋がっているからこそなのです。

それが、生まれてから聞こえていないこどもはサイレン=?なので【どう反応してよいかわからない】状態と考えられます。

だからこそ、親がモデルをみせて「ピーポーピーポー、ケガしたのかな?」と心配そうな顔をしたり、外にでて運ばれる人をみながら

ピーポーピーポー=ケガ・痛い と学習し、少しずつその音に意味を感じて初めて反応できるわけです。

これは音だけでなく、人の声も同じです。

つけてくれるようになるためにできることは?

まずは楽しく、たくさん話しかけてください。

難しいことは考えず、まずは表情を豊かになんでもいいので話しかけてみてください。

その上ではじめのうちは

・こどもが発した声を真似して聴かせる

・幼児やオノマトペ(じゃぶじゃぶ、わんわん、きらきら など)を積極的に使う

これらを意識しながら、少しずつ補聴器・人工内耳をつける時間が増えたら

生活の中の色々な音に気づくように、そしてその音が何の音かわかるように話しかける

少しずつ安定してくると、いろいろな音に気づき(興味を持ち)はじめます。

身近な物だと乗り物(電車やバス、飛行機など)、楽器(ピアノや太鼓、鈴など)の音を聴かせ、聴こえたら「あっ、聴こえたね!」と耳元に手を当てて目を合わせましょう。

こういった音を聴く経験を通して、今のが聴こえた状態なんだと学習し、それがことばを覚えるきっかけにもなります。

「ガタンガタン、電車だね」「ドンドン、たいこだよ」とこどもの反応をみながら、一緒に聴こえた音が何か伝えながら楽しむとよいでしょう。

常に嫌がる場合はどうしたらいい?

上記のような対応を続けても装用を常に嫌がる場合、原因としては2点考えられます。

ひとつは

①補聴器の調整やマッピングが適切ではない

この場合、特定の周波数帯で不快な音に感じる、極端に大きい音に感じている可能性があります。

特定の音や場面で嫌がる、常に嫌がる場合は言語聴覚士や耳鼻科へ至急相談してください。

ふたつめは

装用初期で新しい音の意味を知らないために嫌がる(不安や恐怖)

例えばドライヤーや掃除機など、飛行機などの近くで聞くと大きいと感じる音でみられやすいです。

これは我々もうるさいな、と感じていてもドライヤーであれば髪を乾かしている人がいるんだな程度で終わります。

でもドライヤーの音を聴いたことがなかったこどもは、いきなり耳の近くで大きい音がなるわけです。

飛行機でいえば聴こえなかったものすごい音が、急に遠いところから聞こえてくるのです。

そういった聞きなれない音もお家で過ごす中で育てる場面はたくさんあります。

まとめ

・つけないのはどうして?
①耳の中に異物がある状態と感じているから
②聞きなれない音、聞いたことがない音だから

・つけても反応がないのはどうして?
①こどもが発したことばを真似する
②幼児語やオノマトペなどを積極的に使う
③何の音なのか、その都度説明してあげる

・つけてくれるためにできることは
①日常生活動作を一緒に行い、言語化する
②幼児語やオノマトペを積極的に使う

・常に嫌がる場合は?
①補聴器の調整やマッピングが適切ではない
②装用初期で新しい音の意味を知らないために嫌がる(不安や恐怖)

気になる場合はまずはお近くの耳鼻科、言語聴覚士のいる相談機関へお問い合わせください。

特に幼児期の聴こえの問題は【ことばの発達】にとても影響を与えます。

様子をみる前に、まずはご相談をおすすめいたします。

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この記事を書いた人

なみおかのアバター なみおか 言語聴覚士

重症心身障害児(者)病棟、総合病院、児童発達支援センターを経て岩手県二戸市に児童発達支援事業所「こどもの駅とれいん」を開所。子ども分野の言語聴覚士として活動中、岩手に言友会(吃音の自助団体)の設立に携わり、事務局長を務める。

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